2006-01-01から1年間の記事一覧

ぼくたちの好きな冒頭11

これは私のお話ではなく、彼女のお話である。 役者に満ちたこの世界において、誰もが主役を張ろうと小狡く立ち廻るが、まったく意図せざるうちに彼女はその夜の主役であった。そのことに当の本人は気づかなかった。今もまだ気づいていまい。 これは彼女が酒…

コンビニでおれ一人で永劫回帰で

コンビニ成人向け雑誌コーナーで相澤サンタ(つまりサンタのコスチュームを纏った相澤仁美の『スコラ』1月号表紙グラビア。わざわざ括弧注をつけてキモさを軽減しようという苦慮が逆効果!)との偶会をつうじて季節感を得るおれ。惚れ惚れと手にとって数秒後…

12月8日分を更新した。チェルフィッチュ「エンジョイ」とアスパラガスの転回点について http://d.hatena.ne.jp/breaststroking/20061208

いくつものバンドが迎えた分岐点にアスパラガスも立ってしまった

春にロッキンオンジャパン主催の「Japan Circuit」に登場、夏にはロックインジャパンフェスに呼ばれ、暮れのカウントダウンジャパンでは、30日(幕張メッセ)のヘッドライナーを飾る。先月はフジテレビの名門公開ライブプログラム「FACTORY」にも出演。ピッ…

おれエンジョイをエンジョイしきれずあろうことかうつらうつらす

※ネタバレではありませんが、これから観劇される方はご覧にならない方がよいと思います。 * * * チェルフィッチュの新作「エンジョイ」を、初台新国立劇場の小劇場THE LOFTで見た。もろもろの影響か満員で、子供からお年寄りまで年齢層も実に幅広かった。…

東京堂書店で、まだ前著『魅せられて』も買ってないのに、大好きな『ブヴァールとペキュシェ』(岩波文庫)についての未収録批評文が載っていると知って蓮實重彦『表象の奈落』(青土社)、三島由紀夫・藤田三男編『写真集三島由紀夫'25〜'70』(新潮文庫)…

サイボーググラドルは是か非か、そしてサイボーグ・フェティシズムという謎

森下悠里についての文章を書いてしばらくしたら、森下が身体に改造を重ねたサイボーググラドルである可能性を批判的に検証するサイトに遭遇した。記憶や印象に頼るのでなく史料を重んじる姿勢、そしてサイボーグ排斥への情熱が、天然のおっぱいをこよなく愛…

働くおっさん劇場をおれはもう擁護しきれない

TV

「働くおっさん人形」という松本人志出演のミニ番組が以前(2002年10月〜2003年5月)あった。毎週日曜のド早朝、5時台に5分番組でやっていた。松本が何か実験的なことがしたくて始めたとかだったと思う。『QuickJapan』で小特集も組まれていた。リアルタイム…

来年10周年を迎えるROVOは変貌のただ中にある

新木場STUDIO COASTでROVOのCONDOR発売記念ツアーを見る。10月にRAW LIFEに日帰りで二日間行って今回のROVOだから新木場も妙に馴染んでしまってる。もういい加減来ねえと思うけど。ここはその日の演目が入り口のでかい看板に毎回描かれていてアメリカのライ…

池袋書店戦争に1ページ、そして2006年アイドルグラビアの中心

今週はMars Voltaのゼップ東京公演に用事で行けなくなるということが二三日前に判り、チケットはうまく手放せたが歴史的な演奏になったみたいで落胆した。落胆とえいばスーフリナイトも到らないところがたくさんあったのでつぎは全部解消していくつもりで考…

スーフリナイトVOL.2のお知らせ

前回、7月に内輪でやったDJイベントが大変面白かったので、今度は大きく出てオープンでやることにした。皆さんぜひお越しください。*深刻化する格差社会、続発する若年層の凄惨な犯罪、動物化してオレ様化した挙句ファスト風土化する社会、跋扈するカルト、…

更新情報 11.17付

11月16日分を更新した。リミテッドエキスプレスと、スーフリナイトスペシャルDJについて。 http://d.hatena.ne.jp/breaststroking/2006111611月13日分を更新した。サルに嫉妬すること、イベントと近田春夫について。 http://d.hatena.ne.jp/breaststroking/2…

ある伏線

さっき気づいて「あっ」となったが、チンパンニュースチャンネルでの広末涼子の声ガラガラ(http://d.hatena.ne.jp/breaststroking/20061113#p1)は、本人が言うような風邪などではなく、明け方4時に自宅で岡沢氏に対してあげた<金切り声>(http://www.out…

スーフリナイトVOL.2 ゲストDJ発表

そうこうしているうちにイベント前日になってしまった。シークレットゲストDJの名前を発表しよう。ここまで引っ張ったのは勿体つけるためというよりは、広くない会場がいっぱいになるのを恐れたため。と言いつつも、貴重な機会ですのでぜひお越しくださいね…

YEE!LOOK!!vol.4 -Limited Ex release party-

シェルターでLimited Express(has gone?)(http://www.limited-ex.com/)主催のYEE!LOOK!!vol,4-Limited Ex release party-。いっつもこのバンドの企画は平日なのだが、2月のシェルター、6月と10月のネスト、そして今回と、万難を排して駆けつけている。これ…

ヴァラエティ・ショウ、あるいはタイムテーブルにお願い(何を!? 人生を!)

TV

いまCX「チンパンニュースチャンネル」を見ていたら、今週のゲストはドラマ「東京タワー」のPRということで広末涼子で、風邪ひいてるのか声がガラガラだこれは酷い、なんて弛緩した脳味噌で見るともなく見ていたが、MCのチンパンジーゴメス・チェンバリンが…

されど仲よき

一つの大きな仕事を終えたとんびのからあげさんと『坂本龍一80年代映像作品集』(→amazon)を見ながら拙宅で酒盛りをしていた際に武者小路実篤の話になり、都築響一『夜露死苦現代詩』(新潮社)のファンであるおれに、やはり同書の愛読者である氏は、実篤の…

前々回、Optrumに出会ったおどろきを書いたが、音が出る蛍光灯であるところの「オプトロン」を開発し操る伊東篤宏は、本業は美術家であり、代々木の音響系のライブスペースオフサイトでイベント担当をしている著名な人物だった。おれは知らなかったよ。http:…

渋谷で行われるオシリペンペンズとDCPRGの対バンというサブカルごのみな企画への欲望を振り切って、the band apartの3rdアルバム発売ツアーを見に品川ステラボールへ。品川プリンス内の一施設で、おそらく水族館や映画館と一緒にできたのだろう。高輪口交差…

遁走短録1

http://lot49.lolipop.jp/mt/本体更新した。VJ onnacodomoの衝撃について。こっちに書いてもいいような内容だが。今夜は20000Vで古川日出男が朗読をやったり赤い疑惑が出たりするライブがあるが、何か気疲れしそうだし古川日出男のことが好きか?と問われる…

Conti企画「#1」

西荻のflatでContiの企画「#1」を見る。早めに西荻入りして、森田書店、音羽館をぱぱっと覗く。前者と後者は近所同士だが古書店としてのスタイルと立ち位置は真逆。前者は超ドメスティックな昔ながらの古本屋。特筆すべき点はなく、けれど悪い品揃えでもない…

9.3 Boyz of summer2006 於日比谷野外音楽堂

日比谷野外音楽堂でBEAT CRUSADERS企画「BOYZ OF SUMMER」。三年目だが一年目の上野池之端音楽堂から二年きゃ経ってないのにビークルが音楽業界内で立つ位置は激変した。ファンも爆発的に増えた。あの時は確かまだ、メジャー一発目のCDも出ていない、メジャ…

9.17 FBY presents NEO CLASSICAL vol.6 「BASIS」RELEASE TOUR 於千葉LOOK

7月5日のShort Circuit解散ライブを兼ねた3p3b meeting(新宿ロフト)、8月12日のNOT REBOUNDとのツーマン(シェルター)、9月3日のビークル企画のBOYZ OF SUMMER(日比谷野音)に続き、この夏四度目のASPARGUSを見るべく、雨の千葉へ。チケット持ってないの…

とにかくASPARAGUS(http://www.3p3b.co.jp/bands/asp.html)が見たい。それもでき得ることなら、ツーマンで見たい(ワンマンはほッとんどやらないから)。いま目の前に大好きなZAZEN BOYSとROVOとアスパラのライブがあったら、逡巡することなくおれはアスパ…

dead kが提唱するネオ・アンダーグラウンド

Green Milk From The Planet Orange(http://www.green-milk.com/)は刺激的で濃厚な楽曲を演奏をするプログレバンドだが、フロントマンのdead kが、アンダーグラウンド音楽が抱えるシーンなきシーンという欠陥に問題意識を持ち、「ネオ・アンダーグラウンドシ…

秋のお祭り

RAW LIFE2006は10月21日〜22日、新木場で開催。君津の廃屋風空きビルでなくて正直ホッとした。 http://www.rawlife.jp/トリビアルな知識だが、去年の場所を主催者の方はグーグルイメージで「廃墟」+アザーワーズで検索して探したんだそう。知ってましたか。…

ノベライズから浮かび上がる『デスノート』の革新

札幌駅そばのなにわ書房で買った西尾維新『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』(集英社→amazon)を読み終えた。『デスノート』を仮に、二つの高度な知性によって演じられる脱走と追跡のサンバだとするなら、このノベライズは『デスノー…

石狩余滴

ライジングサンについては、最後に最も衝撃を受けた二日目深夜のULTRA BRAiNについて書かなくてはと思っているのだが、あまりにもおれは難波章浩という人の来し方について詳しくないし(有名なハイスタンダードも、一曲も知らない)、どんなことを考えてきた…

6.初日のおまけ

ROVO見て延々歩いて、シャトルバスのほとんど終バスにちかいやつに乗り込んで、まあ落ち着いたと思ったら、横からエンジン吹かす爆音が挑発的にならされて、二台のバイクが現れた。ともに二ケツしていて、片方はハンドルのところに日の丸国旗を掲げていて、…

1-5.ZAZEN BOYS ごく簡単に

ザゼンボーイズは初日のメインのSUN STAGEで19時30分から。言い忘れたが雨が降ったりやんだりの気候だった。そんな中ほとんど3列目くらいで必死の形相で食らいついて見た。水滴と湯気で眼鏡は単なる視界を遮蔽するグッズと化していたので見たというのは不適…