久田将義『トラブルなう』(ミリオン出版、2011年)

『噂の真相』は2004年4月号をもって休刊した。今では年に何回も、好きだった雑誌の休刊のニュースに接しているから、いちいちにそう悲しい思いもしないが、この時は本当に寂しかった。休刊まえの何号かは、表紙で休刊までのカウントダウンをやっていたが、そ…

『ローラのオリジナル』のためのメモ

ナボコフ最後の小説。中編程度の長さで構想されていたが、その死によって中絶された。故人の遺志により公刊をされてこなかったが、偉大な父とその仕事を病的なほどに敬愛し、外部からの批判や著者に不利益な仮説に対して忠実な番犬のように戦う反面、ナボコ…

分別ざかり、その出演者についてのメモワール、あるいはポルトレ、そしてタイムテーブル。

2006年の新木場、海風吹きすさび砂塵が巻き上がる湾岸の砂利が敷かれた空き地で何があったか。一般にはRAW LIFEというインディペンデントなロックフェスで、DE DE MOUSEという無名のエレクトロニカアーティストが、その場に居合わせた貪欲な音楽好きに、だれ…

分別ざかりの告知その4 携帯DM篇 4/5

えー、相変わらず告知の話ですが、実際に親交のある友人知人には、携帯メールでも一斉告知を行っている。これには賛否あるかもしれないが…。日常に暴力的に侵入してくるスパムめいた長文メール…。まあ、愉快でないなら、言ってください。気配を出してもらえ…

イベントについていろいろ考えを持っている。イベントとはどういうものか。人と人が集まって音楽をかけたり、酒を飲んだり、話をしたり、同じ方向を見たり、ばらばらな方へ視線をさまよわせたりする。ある人は浮かれ騒いでいるし、ある人は棒のように立って…

イベント告知その3 3/5

市橋被告が逃亡中に見ていた日本の風土と、ぼくらがそれとなしに見ているそれと、朝吹真理子と西村賢太がおなじ壇上から見ている個々の文学的なパースペクティブと、路上のガラクタとかゴミ捨て場とか残飯の入ったゴミぶくろを見る坂口恭平の視点とそれらを…

分別ざかりの無分別vol.2、その告知第二回

おなじ目線で見ているのに、見えてるものがぜんぜんちがう。その面白さ、それと悲しさ。あるいは、誰も見つけたことのない、とっておきのアイデア。 ryuto taon と抱擁家族企画『分別ざかりの無分別 VOL.2』 日程 2月18日(金) 時間 24時〜29時(all night …

分別ざかりの無分別リヴィジテッド

●ryuto taonと抱擁家族企画『分別ざかりの無分別 VOL.2』 日程 2月18日(金) 時間 24時〜29時(all night event) LIVE ACT/DJ To be announced... 会場 高円寺クラブミッションズ(http://www.live-missions.com/) Tel:03-5888-5605 料金 1500円+1ドリン…

年末から寒い日がつづきますが、いかがお過ごしですか。ぼくは年始から五反田団の工場見学会、シベリア少女鉄道スピリッツ、蓮沼執太フィル、進行方向別通行区分と、暇を良いことに見たいものを見て歩いています。さて、連休も終わったし明日からそろそろエ…

告知と年頭の抱負

あけましておめでとうございます。わたしかちゃくちゃは、2011年はキャパの大きい、機知に富んだカッコいい大人になりたいと思っているがその道行きは暗く険しい。才に富み心楽しい友人たちに遊んでもらっているのはいいが、それだけではやっぱり不足があっ…

熊谷朋哉さんへの質問

熊谷さんはじめまして。かちゃくちゃと申します。写真集楽しく拝読させていただきました。写真のみならず、言葉を寄せた関係者の選出も、シビれるものがありました。まず前置きになりますが、ぼくがお訊きしたかったのは、『YMO×SUKITA』の造本そのもののこ…

sakurawakaba、高架下のユース

□sakurawakaba(07/11/10) / ryuto taonと抱擁家族 ●高架下のユース season.18 日程 12月8日(水) 開場開演 18:00/18:30 会場 高円寺クラブミッションズ(http://www.live-missions.com/) Tel:03-5888-5605 料金 ADV1,500円 DOOR2,000円 ※「抱擁家族を見…

ryuto taonと抱擁家族、次回ライブは12月8日(水)

ノッてろよー。超ノッてろよー。 向井秀徳『厚岸のおかず』(イーストプレス)より、連続殺人鬼TOSATSUマンに殺害された男たちの間ではやっていた言葉 歌詞は決めず、出たとこ勝負。ラップトップ演奏もライブ演奏だから二度と同じことはできない。 そうやっ…

堀江貴文と向井秀徳の自己変革

砂漠の朝を さまよって 無人島にたどりついたんだ ZAZEN BOYS「The Drifting / I Don't Wanna Be With You」 * 初めに断っておくが、僕が本書で定義する「オヤジ」とは、年齢的なものではない。あらゆること−家族との向き合い方や仕事への接し方、服装や体…

文字数がおさまらんのでTwitter文体でブログに書かれた日記

昨日は宿酔い持て余しつつ宅で録りためた『サマーウォーズ』、『マッチポイント』見る。『サマー』は確かに衛星みたいのが家に落ちてくるのはヘンなのだが、家族が一致団結するシチュエーションに力づくで感動させられてしまうのは初見時とおなじ。『マッチ…

ヘンな文章が好きだ10 N森さんの「ゆらゆらゆら帝国帝国」

ブックオフの100円棚に棲息し、野外フェスで按摩師をつとめ、血族と労働の問題に頭をかかえる。そんな生きづらさを抱えた不遇で運のないN森さんがA知から東京に越してきたのが7月。以来、病気がちな彼女は、東京と親密な関係を取り結ぶべく、さまざまに奔走…

インディペンデントなロックフェスティバルの現場報告8 それぞれのDIY オシリペンペンズ&にせんねんもんだい 10周年だよ全員集合!!!!!! 於・渋谷O-NEST 5月1日

顔から火が出るからめったに読み返さないニフティのころの日記。ロリポップ(http://lot49.lolipop.jp/mt/)に移転する直前の2004年7月のログには、自分史の記録(ライフログって言葉、あんまり好きじゃないんだ)として大切な記述がある。 http://homepage3…

東京堂は世界一、あるいは高校野球の女子マネージャーがドラッカーを読んでどうこうなるという本を小説として不出来だし安易なマーケティング本だとして貶す書評家(永江朗氏)にキャリアの限界を感じるの巻(コミュニケーションをめぐる四題、に、書くはずだった文章)

文章は時々書いているが書き上がるところまでいかなくてほとんど携帯やパソコンのハードディスクに眠ってる(iPhoneを買って、Evernoteを使い始め、フリック入力に習熟してからは、外で書く能率が上がった)。このエントリでは、1月に書いたものを載せます。…

HALCALI『ENDLESS NIGHT』、夜の自然主義

あそこであの返しは正直ない 真夜中でピンの反省会 ツッコミ不在の自問自答 オチも返りもなくただ悶々 「やっぱ独りなんだ」と気づいたり 「いや繋がってるかも」と期待 行ったり 来たり 繰り返し きっと無駄じゃないが果てしない HALCALI「ENDLESS NIGHT」(…

インディペンデントなロックフェスティバルの現場報告7 2010年1月にライブハウスの転換点を小岩でみつける

●小岩でリミテッドエキスプレスのワンマンを見た 横浜バンクアートで「東京リアル脱出ゲーム 廃倉庫からの脱出」を成功させ、『ミュージックマガジン』に音楽産業の変化に関するコラムを掲載、吉祥寺百年(http://100hyakunen.com/)でトークイベントに参加…

二夜連続企画・コミュニケーションをめぐる四題・1

●会話、二つの世界の差をつめる 上田明子『話せる英語術』(岩波同時代ライブラリー、1995年)は、おととし読んだ。英文読解の練習にハマっていて頭がクラクラしているときに、箸休めの気持ちで読んだ。そうしたら冒頭の一文から、これは生なかの英会話本で…

2009年わたしの最良の書籍20+3冊

今年は、話題書や変化球を交互に行くような、派手な読書ではなかった。ただ、手が回っていなかったものを押さえる地固めのような読書は、通年でできた気がする。また、少し品がないけど、冊数でいうと、今年はこの5年間でいちばん読めた。以下の書名群は、例…

Have a nice trip with some books!

そんなにカネにはなっていないけれど、部署として会社から問題視はされていない。あるいは、社のブランドを上げ、日本の文化の一翼を担ってくれていれば、よっぽどの赤字をこかん限り、社としては文句は言わないよ!ってそういう状況にある中小出版社のセク…

グラビアアイドルという百魔5・優木まおみ、アーキテクチャとの闘い

●ことし好きだったグラビアアイドルおととしくらいまでならいくらでも言えたと思うが、何しろ森下千里の乳首ぽろりをきっかけにアイドルグラビアというものが崩壊してしまった後なので(id:breaststroking:20050103)、一向に熱くなれないし、そもそもあまり…

electraglide presents Warp20(Tokyo)でみるみるコンクリートに体温をすいとられる

朝は10時に起きて移動。新幹線で家に戻って、洗濯物をやっつけてすぐ出る。2ヶ月ぶりのフットサル。45分だけど(遅れて行ったから)しんどい。みんなで軽く飲んで飯食って3人で新宿に流れてそこでまた1時間、少し飲み、2人が麻雀へ消えたのを見送って、自分…

「分別ざかりの無分別 vol.1」あした開催

急いで書いてアップしたものの、読み返したらゴミ屋敷だなんだって、イベントに出る方がまるで奇人変人大宴会みたいじゃねえの。出演者の紹介もないし。あんまりだから別所に書いたやつを転載します(一部直した)。こっちのほうがいい。アクセス方法も追加…

分別ざかりの無分別 vol.1開催

たとえば、仕事の合間を縫って、一生かけて手づくりで奇妙な城を建てたフランスの郵便配達夫シュヴァルみたいに、あるいは橋本治が『巡礼』(新潮社)で緻密に描いたゴミ屋敷の主人みたいに、自分で定めた生き方をまげない、まげられない人たちがいる。道の…

新イベント「分別ざかりの無分別 vol.1」

そして休む間もなく次へ。高円寺のClub Mission'sにお声がけいただいて、共同で企画をやります。 9月11日! すぐです。来週末です。「分別ざかりの無分別」は、スーフリナイトとは別個の流れだが、兄弟イベントとして位置づけられる。スーフリナイトを興奮の…

「スーフリナイト」終了、そして「分別ざかりの無分別」へ

土曜日のスーフリナイトvol.4は嵐のように終了した。ゲストアクトがとにかく光っていた。vol.2につづいて出演いただいた真実一郎さん(http://blog.livedoor.jp/insighter/)は、最新第二巻が出たばかりの『モテキ』の該当シーンをスクリーンに投影しながら…

スーフリナイトvol.4開催

毎年暑くなり始めると、きまって体がそわそわしてくる。今年こそ夏をつかまえようと、気もそぞろになる。しかし、いまだ夏がビシッとつかまったことがない。網を張る先からするりと逃げる。指のすきまからさらさらこぼれる。だからおれは、夏がなんだかしら…