熊田曜子が面白くなってきた

週刊プレイボーイ』21号をジャケ買い熊田曜子ジャケ買いする日がまた訪れるなんて、思っても見なかった。実はここのところ、熊田曜子がまた気になっていた(『ボム』の表紙を飾った辺りから)

大概グラビアアイドルは露出過多になるとオーラがなくなってくる。それは被写体が疲弊してくるからであり、読者が単に見飽きてくるからでもある。一方で、露出するごとに、akarik先生の言葉を借りれば「良化」すなわち良くなっていく人たちも、いる。おれの好きな大城美和里中あや相澤仁美はこの手合いだ。こういう人たちは別に珍しい訳ではないが、ある程度の期間、グラビアをチェックし続けないとその変化を認識できないので、珍しいもののように思われがちなのだ。珍しい部類に入るのはむしろ、絨毯爆撃のごとく何万遍表紙や巻頭を飾ろうが、全く良くも悪くもならないという不気味な人たちである。おれがあまり関心を持っていないせいかもしれないが、小倉優子ほしのあきは間違いなくそうだと思う。小野真弓も長いことそのカテゴリーに分類していたが、ちょうど1年くらい前に、なぜか出るグラビア出るグラビア別人とは言わないけれどかなりシャープでグッと来るようになり認識を改めた。それまでは「水着を着て笑ってるだけの人」だったがそうじゃない人になったのだ(でもおれは純真な視聴者として、4月3日深夜に放送されたスピードワゴン小沢との極秘結婚ドキュメントを、ヤラセがエンディングで暴露されるまで信じ込んで見てしまったので、もうこの人はイヤや)

それで熊田曜子を分類するならば、グラビアに露出するごとにオーラが剥がれていく人の代表格だろうと思っていた。実際、バラエティへの出演や芸人との合コンなど、オンオフ問わず精力的に彼女が活動する舞台はテレビ業界であった。集中力と規律のある生活が要求されるグラビアはテレビとの掛け持ちは向かない。

しかしこの『週プレ』の熊田曜子のグラビアを見て、ベテランの良い仕事ができるグラビアアイドルになってきたな、と認識を改めた。今回の勝因はプロデューサーと藤代冥砂の戦略もあるかもしれない。熊田曜子というとあの眠そうでバタくさい顔つきに行ってしまいがちだが、むしろ体のパーツのバランスの良さなのだ。顔を強調したグラビアは、彼女のその時の体調がストレートに反映してしまって悲惨なものは悲惨であるが、体の良さは常に保たれている。体のキレはいま、かなり良くなっているはずだ。この号ではそこが強調されている。表紙の横たわった写真は西洋の裸婦像みたいにふくよかな色気があるし、1ページ目の小さいビキニを着て両膝を付き、両手を頭の上に置くポーズを取っている写真は、ポージング、目線、首筋に浮かぶ筋、首筋まで来てカールする黒髪、腋、形の良い胸、くびれ、縦に切れ長のへそなど、写真全体に彼女の良さが偏在している。良いグラビアとはこういうものだと見る者に優しく手ほどきするような佳作になっている。