八広HIGHTI「ハイチ忘年会」

breaststroking2007-12-30



インディペンデントな音楽の企画について書いていたとき、八広ハイチ(http://highti.jugem.jp/?cid=2)に行ったことがないのに耳学問で書いていることにすごくためらいがあったので、29日は迷わず「ハイチ忘年会」に出かけた。あれだけ参加者(の特に女の子が)が口々に「楽しい!楽しい!」を連呼していたパーティをおれは初めて見た。そしてハイチで目撃した4人編成の新生54-71! 人んちなのにおれ、ぎゃあぎゃあ叫んで興奮した。

54は元々4人だったが、ギター脱退でボーカルがキーボードに転向。アングラヒップホップからアングラジャズ、フュージョンのような3ピースに転向。ボーカルのビンゴはMCを極端に減らし、演奏に徹した。ボーカルの奇矯さとスリリングな英語MCが売りだったから大転向といえた。しかしバンドは周囲の動揺もどこ吹く風で、ボーカルを封じたことを事件のようにも扱わず、そんな時代あったっけ?というように平然とクールなインストを、今まで以上にタイトなリズム感で演奏した。しかも以前から弾けたというが、元ボーカルのビンゴは、恐ろしいスピードでキーボードに習熟し、54は新たな演奏形態においても、唯一無二のバンドになってしまった。

だが、とはいえ、ファンの心の中には消えず一つの思いが残っていたと思う。「ボーカルなしのインストもいい。だけれど、あの4人の54を! ビンゴが自由に大暴れする、MCつきの54を!」

その願いが叶い(?)、新たなギターを54が招じ入れて、元のスタイルに戻ったのが今年の8月くらいだっけか。おれそれから初めて見たから、1曲目の新曲に、「ギターは高田さんの時のように触れば血が出るような、アルビニ直径のソリッドさはないが、大きな路線転換という感じでもないな…」と取り澄まして観察したり、このバンドの来た道を思い、しみじみしていていたりしていたら、2曲目で突然、ボーカルのビンゴがパーカーを脱ぎはじめる。下まで脱いでスッポンポンかと思ったら、むかし今田東野がやっていた、「放課後電磁波クラブ」(http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1010850385)のような、レスリング衣装がさらにキューっと細くなって、V字そのものの超ハイレグになった、蛍光緑色のド派手な衣装(というより、ゴム、もしくはゴム紐)を装着していて、これで自在に踊りながら(狭いので抑え気味だったが)MCを始めた。パフォーマンスは無類のカッコよさなのに、格好は変態ハイレグで、しあも局部はきちんと剃毛しているという、侘び寂びの利いたスタイルに涙が出た。しかも十年ちかくやり続けている代表曲「ceiling」「life」の歌詞が、完全に変わっており、これも何事にも固執しない、何も守らないスタイルを見せ付けられるようで、痺れた。

○ヴィトンのPR担当の方によるこの日の54のレポート。ビンゴは脱衣前だが雰囲気が伝わってくる http://blog.honeyee.com/mari/archives/2007/12/post.html

○オフィシャルの当日の写真 http://highti.jugem.jp/?eid=89

#ビンゴさんの「放課後電磁波クラブ」スタイルは以前にも見たような気もするがどうだったろう。ただ、4人に戻ったばかりでおれのようにウルウル来てるファンもいるかと思われる場であれだから、グッとくる。