ryuto taonと抱擁家族ふたたび、リリースを控えたgroup_inouに精神を涵養される

それはそうと、ついに我らがライブユニット「ryuto taonと抱擁家族」のセカンドギグが決まった。面白い構成のいくつかのバンドとの対バンでありもう生暖かい内輪のパーティとかじゃないので勝負!という感じがする。日程は次回書く。もっか、隔週でスタジオに入りはじめている。区分はエレクトロヒップホップとカッコつけて吹聴していたら、「ヒップホップは事実とちがうのでやめてくれ」とtaon君(http://www.realintegrity.net/~taon/index.html)に言われたので、不承々々いまはロードクトロニカとでも呼んでいる。なんともださいけどな、仕方ない。とにかくおれはどんどんおれを追い込んでいく。

ちなみに「ryuto taonと抱擁家族」は、group_inouスマーフ男組、ZAZEN BOYSといったバンドやユニットに影響を受けている。少なくともおれは受けている。もう二度といわないが、あとで消すかも知らんが、受けているのだ(形式というよりも精神のありようというか、なんというか、むにゃむにゃ…)。

ということで、本チャンに向けて極限まで意志を高めていくためにおれは2日、O-NESTに向かった。池袋の古書往来座外市」で高橋悠司とか、30前後の中上がドルジばりの面構えで写っている『ジャズと爆弾』(角川文庫)とかホクホクと買いこんでO-NESTに向かった。oakというバンドのレコ発で、group_inouがオープニングだ。

サンデーナイトなので18時スタート。フロアはガッラガラで「久しぶりにパンキッシュな気分になってきた」とCPが苦笑して始まった。って言うけど、以前はフロアの地べたでやってたじゃないか、ぜんぜん問題ないぜ。途中、フロアの真ん中に客がいないために、「今日は音がいい、ヌケがいい、返りがいい」といった自虐的な二人のMCもあった。でも4月にアルバムのリリース、代官山での二度目の自主企画を控え、調整試合としてはちょうど良いんじゃないか、主催に失礼だけど。磐石の完成度の「PR」をあいだに挟みこむ形で、「Coming Out」(http://jp.myspace.com/myxjp)、「maybe」という新曲なども。前者はimaiのトレードマーク的な、ファンファーレ風の電子音が鳴り荒れ、CPのMCがメロディを持っており歌っぽい、という一連の近作のながれに沿ったものになっていた。あとリリックがまっすぐなんだよな。破れかぶれだったり、過度に性的だったりするのがCPの詞の魅力だが、あたらしい曲はけっこうまじめかつまっすぐに心の叫びを歌いこむ、シャウトする。甘酸っぱい、若い、衒いがない! おれの眼前で演奏されているのは、まぎれもなくエレクトロニカとそれに載ったラップのはずなのに、なぜか頭に結ぶイメージはたとえて言うならソフトロック。imaiの春の嵐のようなトラックの向こうから部分部分耳と頭に流れ込んでくるCPの詞がどれもたまらない。ライブのトラックとCDのそれがだいぶちがうのがこのユニットのたまに瑕なところだが、おれは素直にいま、来月出現するgroup_inouの初めてのフルアルバムを楽しみに待っている。