1-2 なんか悔しいので

福岡を褒めるばかりでも癪なのでほかの地域の話をしようか。この夏のインディペンデントなロックフェスティバルでは、SHIFTなどの地元のバンドが手掛けている山形の「do it 2008」への注目度が高い。ナタリーも、HMVも、熱心に紹介していますね(http://natalie.mu/news/show/id/8147ほか、http://www.hmv.co.jp/news/article/807150036)。以前紹介したエントリでは誤解して2007年スタートと書いていたが、もう4年目になるそうだ。今回は<テレビの中の音より 隣で鳴ってる音楽のほうがメチャクチャカッコいい。>という力強いコピーを掲げ、さらに「山形七日町シネマ旭跡」という、去年潰れて廃墟状態の巨大映画館を会場にし、出演バンドもかなりグッとくる面子がたくさん集まり、ビッシビシにDIYな熱気を感じます。会場にパワーがあるのは強い。サイトも熱い(http://doit.xxv.jp/)し、4つのステージの名前がそれぞれ、<ゲンキ、ヤンチャ、ワンパク、ムジャキ>だという。ボロフェスタ、eeteeを手掛けるLimited Express(has gone!?)(http://www.limited-ex.com/)のJJさん(http://limited-ex.jugem.jp/)もアドバイザーとして会議に参加したというし(http://limited-ex.jugem.jp/?eid=391)、開催は9月13日と14日、成功をお祈りしたい。

山形を褒めるばかりでも癪なので東京の話をしようか。でも、ことし4月16日と17日、横浜の旧財務省施設「zaim」でインディペンデントでボーダレスなロックフェス「KAIKOO meets REVOLUTION」(http://www.myspace.com/kaikoomeetsrevolution)をDJ BAKUとともに成功させた、レーベルPOPGROUP代表の坂井戸裕紀氏は、同イベントへの意気込みを語った『remix』5月号でつぎのように苦言を呈していたし、インディペンデントなロックフェス、DIYな企画においては、いまは地方の時代なのかもしれない。

東京のハコでやると何もできないっていうか、こっちはこのイベントで儲けるとかだけじゃなくて、、考えがしっかりあって、その考えを基本に音楽を日本で盛り上げようと思ってやってるのに、そういうことを一切わかってくれない。ここはダメ、こっからここで好きなことをやってくださいって渡されるんだけど、そんなんじゃ限られるというか、もっと突っ込んでやってかないと。……このイベントがどういうものなのかっていうのを聞く以前に、とりあえずお金とルールから入るっていう。で、東京でやる必要ないなって、かといって、山とかではやりたくないから、それで探してみたら、横浜は違って、「何やりたいの」ってとこから入るんですよ。

そんな中、秘かに(?)注目しているのが、レシーバーズポンポンヘッドhttp://www.rpph.org/http://www.myspace.com/rpph3 )のダンサーであり、レーベル十代暴動社のオーナー長州力(ちから)さんが友人らと手掛ける「東京にもあったんだ!2008」だ。

http://was-in-tokyo.jugem.jp/

貸しスタジオを複数部屋借りて行うDIYフェスについては以前のエントリ(id:breaststroking:20071205#p1)でも紹介した。この方式による、「ぼくらの戦艦リンキーディンク」というフェスを、自分も見ている。「東京にもあったんだ!」は、このやり方をさらに先鋭化させている。8月9日と10日の二日間で、西荻窪のリンキーディンクと同系列のライブハウスFLATを借りて、全4ステージ構成で実施。そこまではいいとして、おどろくべきは出演バンド数。2日間で100バンド出るという。おまけに江ノ島OPPA-LAで前夜祭もやる。もう自分を虐めたくてやっているとしか思えない、無謀な企画だ。出るバンドも全体的にかなり無名。ラインナップのなかで(相対的に)ビッグネームとして目立っているのが、赤い疑惑、レシポン、でぶコーネリアス、坂本移動動物園というバンドだから、いかにすごいフェスか判る。何が出てくるか、それともなんも出てこないのか。この夏いちばんスカムで異常なフェスに違いない。