「スーフリナイト」終了、そして「分別ざかりの無分別」へ


土曜日のスーフリナイトvol.4は嵐のように終了した。ゲストアクトがとにかく光っていた。

vol.2につづいて出演いただいた真実一郎さん(http://blog.livedoor.jp/insighter/)は、最新第二巻が出たばかりの『モテキ』の該当シーンをスクリーンに投影しながら(言ってはマズい? 最高の販促活動だと思います)、マンガに出てくる印象的な楽曲を、大江千里からGoind Steadyの「銀河鉄道の夜」まで12曲、ノンストップでプレイ。遠藤久美子とか意外だったし、やっぱり良いマンガにはいい曲が出てくる。名曲群に煽られて、スクリーン上の、性的、あるいは恋愛的な盛り上がりとシンクロして、見るほうの気持ちも昂進していくのが面白い。柳下毅一郎さん(http://garth.cocolog-nifty.com/)には初めてのDJ経験を、スーフリの舞台で実現していただけた。4月に物故したJ.G.バラードにゆかりのある洋楽を、やはりバラード本人が登場したり、関係する映像に乗せてプレイ。いきなりJoy Divisionで空気が一変したのが面白かった。映像を見ていたらバラードは書くものの印象、手ざわりと異なって、実生活ではミシマだったのではと思って(白いタキシードの印象?)、そんな与太話を柳下さんに聞いてもらった。今回、レジデントDJとして出演いただいた大坪ケムタさん(id:otb)は、熟練の(?)プレイ。アイドルのヒット曲のカバーが多かったのか? 選挙区じゃない選曲ですでにビザールな雰囲気は十分演出されていたが、ダメ押しのように、ラス・メイヤーから始まり気がつけばいつのまにかバカAV(と呼ぶのか?)集に流れているという、映像も堪能した。

しかしまあ最後に全部持っていってしまったのは忘れらんねえよhttp://www.myspace.com/wasureranneyo)から、オス山さんのギターと、ふだんベースを弾いている人のボンゴによるライブセット。すでに珠玉の名曲というか、ごく狭い界隈でのアンセムというか、ゼロ年代の奥深さを呼んでおいておれが感じてしまった。四十名弱の来場者、途中で退場された方もいたけれども、みんながフロアを、イスに腰掛けて演奏する二人を囲んで、体育ずわりしたり直立したり思い思いの姿勢で見ながら、一語一語に笑い転げたり、絶叫ぎみのコーラスに拍手を送ったり、そこではおれが空想していたスーフリナイトの未実現だったイメージが、そのまま実現化されていた。

レジデントDJの活躍ぶりはかんたんに。DJエメラルドはいつも開演後のアクトをしっかり務め、後の狂騒を準備してくれる。曲がぜんぜん判んなくてびっくりしたけれど。横文字三郎(id:erohen)はだれもが知ってる曲をつないで、後半のじわじわ盛り上がっていくフロアの温度をキープ、つぎにたすきをつないだ。とんびのからあげさんはトッド・ラングレンほか、上がりすぎた株価を調整するみたいなプレイ(失礼?)。意外にいちばんブースで様になってるような。ryuto taonと抱擁家族http://www.myspace.com/hoyokazoku)は6月のHDDクラッシュからよく立ち直ったんじゃないか。忘れらんねえよに食われたのでつぎで何とかしよう。ラスト、地球宇宙そして我ら(DJの名前です)は、事前にスーフリ会員に送っていたスーフリのアジ文があったのだが、物故したポップスターと薬物元アイドルのアンセムなど、そのアジ文の内容をそのままなぞるようなDJで、心底、この夏はワイドショーしかなかったんだな、と落ち込むどころか、大盛り上がり。

打ち上げはまるっと寝ていたけど、不忍池の岸辺で朝までやっていた人もいたようで、面白かったな。どうもありがとうございました。