ヘンな文章が好きだ 


さいきんハマっているのが、ものすごい熱量をもって、他人を巻き込んでいく、企業家とか、組織の長、みたいな人についての記事だったりインタビューだったりを読むことで、自伝は読まない。客観的に、そのそばにいた人が書いたものとか、引き出した発言が、面白い。もてるあらゆる知恵と弁舌と人脈をつかって、人の心やカネやモノを動かす、こういったタイプの人間には共通するものがある。類型がある。それを自分なりに探っている。そういう興味からすると、とにかく本橋信宏の『裏本時代』(新潮OH!文庫)は面白かった。サブカル出版物の必読書だから、この年で読んだって書くのは、わりと恥ずかしいのだが、ここで描かれている村西とおるの発言や動きは人たらしの典型である。「応酬話法」と名付けられた弁論のテクニックとか、その生生しく再現された会話のいくつかを紹介したいが手元に本がないので、きょうはまた、ぜんぜん別の業界の人のインタビューを引く。

 めざすは、世界69億人の人々とともに「地球環境保全」を掲げ、生命の扉を開錠して生命にマスターキー「III」を刻み込むこと。これはSPC憲章として謳われている。このマスターキー「III」とは、抽象界、具象界、現象界のことで、哲理をふまえた哲学根拠としている。
「SPC JAPAN創設理事長 横山義幸氏かく語りき 「小欲」を捨て「大欲」に生きる これがSPCの組織力学だ」『ビービー・コム』2011年6月号(ビービー・コム)

これは美容室の会員制組織のリーダーの方を取材した記事なのだが、そう言わないとなんだか判らないような一文だ。話が急に大きくなる、「夢」とか「成長」ということばが頻繁に出るとか、共通点があります。要は自己啓発なのだが、こういったものを以前は自分は胡散臭いと毛嫌いしていたが、けっこうこうした考え方は、実業に世界において、事業の成功と無関係ではないということが判ってきたので、ちょっと見方が変わってきた。考えがまとまったらまた書いてみたい。