西荻大統領のH崎くん(id:ESSAIM)と、九段会館屋上のビアホールで飲んだ。1年ぶりくらいかと思っていたが、彼曰く春先にも会っているらしい。おぼえていないときもある。

今日は彼が月に一度発行している文化系メールマガジン「ESSAIS」(http://www.melma.com/mag/96/m00080996/index_bn.html)の編集会議というか、販売会議をやろうということで集まったのだが、場の雰囲気に影響されたか読んだばかりの吉田健一の小説のせいか、高歌放吟の宴というか、たえず杯が上下する動きがゆつくりと時間を刻んでいくやうな、愉しい酒が飲めた(実際吉田健一の話ばかりして、実際に聴いたこともないくせにケッケッケッと吉田氏の笑い声を真似たり、即席の文体模写のようなことばかりやっていた)。

九段会館のビアホールは先週の『SPA!』で坪内祐三福田和也が酒を飲んで喋っているのを読んでいいなと思ったのがきっかけで、だからおのぼりさんみたいなものだが、それほど高くない料金、トイレに行く途中右手の暗闇に拡がる武道館の風景、それに広いフロアを動き回るバニーガールやバドガール風のコンパニオンなど、いろいろな要素が合わさって、良い味を出している。特にコンパニオンの女性は3人っきゃいないので、よく周囲360度を確認してから狙いをすませて声をかけないと、実は自分のすぐ背後にひそんでいた中年ウェイターがさっと回り込んできて、注文を受けてしまうというような悲惨な事態が起こってしまう(そうしたらそのおっさんが持ってきたジョッキが空くまで、つぎのアタックチャンスがうしなわれてしまう)。でもこの3人って数が、ストイックな感じで結構好きだ。注文の後に話しかけるとちゃんと愛想良く雑談してくれるし。まあこういう会話は、西荻大統領の方が数段手慣れている訳だが。

ビアホールは22時くらいに閉店してしまったので追い出された格好の我々は神保町の方までふらりふらり歩いていって、もう一杯飲んで帰った。