2009-01-01から1年間の記事一覧

2009年わたしの最良の書籍20+3冊

今年は、話題書や変化球を交互に行くような、派手な読書ではなかった。ただ、手が回っていなかったものを押さえる地固めのような読書は、通年でできた気がする。また、少し品がないけど、冊数でいうと、今年はこの5年間でいちばん読めた。以下の書名群は、例…

Have a nice trip with some books!

そんなにカネにはなっていないけれど、部署として会社から問題視はされていない。あるいは、社のブランドを上げ、日本の文化の一翼を担ってくれていれば、よっぽどの赤字をこかん限り、社としては文句は言わないよ!ってそういう状況にある中小出版社のセク…

グラビアアイドルという百魔5・優木まおみ、アーキテクチャとの闘い

●ことし好きだったグラビアアイドルおととしくらいまでならいくらでも言えたと思うが、何しろ森下千里の乳首ぽろりをきっかけにアイドルグラビアというものが崩壊してしまった後なので(id:breaststroking:20050103)、一向に熱くなれないし、そもそもあまり…

electraglide presents Warp20(Tokyo)でみるみるコンクリートに体温をすいとられる

朝は10時に起きて移動。新幹線で家に戻って、洗濯物をやっつけてすぐ出る。2ヶ月ぶりのフットサル。45分だけど(遅れて行ったから)しんどい。みんなで軽く飲んで飯食って3人で新宿に流れてそこでまた1時間、少し飲み、2人が麻雀へ消えたのを見送って、自分…

「分別ざかりの無分別 vol.1」あした開催

急いで書いてアップしたものの、読み返したらゴミ屋敷だなんだって、イベントに出る方がまるで奇人変人大宴会みたいじゃねえの。出演者の紹介もないし。あんまりだから別所に書いたやつを転載します(一部直した)。こっちのほうがいい。アクセス方法も追加…

分別ざかりの無分別 vol.1開催

たとえば、仕事の合間を縫って、一生かけて手づくりで奇妙な城を建てたフランスの郵便配達夫シュヴァルみたいに、あるいは橋本治が『巡礼』(新潮社)で緻密に描いたゴミ屋敷の主人みたいに、自分で定めた生き方をまげない、まげられない人たちがいる。道の…

新イベント「分別ざかりの無分別 vol.1」

そして休む間もなく次へ。高円寺のClub Mission'sにお声がけいただいて、共同で企画をやります。 9月11日! すぐです。来週末です。「分別ざかりの無分別」は、スーフリナイトとは別個の流れだが、兄弟イベントとして位置づけられる。スーフリナイトを興奮の…

「スーフリナイト」終了、そして「分別ざかりの無分別」へ

土曜日のスーフリナイトvol.4は嵐のように終了した。ゲストアクトがとにかく光っていた。vol.2につづいて出演いただいた真実一郎さん(http://blog.livedoor.jp/insighter/)は、最新第二巻が出たばかりの『モテキ』の該当シーンをスクリーンに投影しながら…

スーフリナイトvol.4開催

毎年暑くなり始めると、きまって体がそわそわしてくる。今年こそ夏をつかまえようと、気もそぞろになる。しかし、いまだ夏がビシッとつかまったことがない。網を張る先からするりと逃げる。指のすきまからさらさらこぼれる。だからおれは、夏がなんだかしら…

ryuto taonと抱擁家族の近況と歌詞

次回のスーフリナイトにはひっそりと、スピリチュアルダンスロックバンドryuto taonと抱擁家族も出演するのだが、相変わらずこの、冗談なのかガチなのか、前者からゆるやかに後者に移行してしまい、後戻りが利かなくなったのか、リアクションに窮する表現を…

夏の小谷野づくし

モダン・ホラーともいうべき山田太一の『異人たちとの夏』(新潮文庫)は、『牡丹灯籠』を現代化したものだが、これら全て、あるいは四代目鶴屋南北の『東海道四谷怪談』でも、恋あるいはそうしたものに敗れて死に、怨霊となるのは「女」である。これが東洋…

スーフリナイトvol.4 ゲスト発表

8月29日(土)の開催まで、一ヶ月を切ったスーフリナイトvol.4。 気になるスペシャルゲストは今回は3組! いずれもひとくせふたくせな顔ぶれ! 一挙にご紹介しましょう。まずはウェブサイト「インサイター」を運営する、ブロガーの真実一郎さん。 http://blo…

スーフリナイトvol.4 ゲスト発表

本を読んでいるとたまにある、忘れがたいあとがきの結びのところ、三つ

このようなむしろ論理的な細部の構築と、必然の線に沿った徹底的な磨き上げと、装飾的・敷衍的要素の排除とは、謙虚なチェーホフの晩年の世界へと私たちを導いてくれる。それは抒情でも諦めでも「明るい未来への確信」でもない、そのような言葉よりは遥かに…

まがじなりあ・あちらこちら15 佐藤友哉の小説は読めないが自己言及的な随筆は好きだ

新潮社『波』7月号より。 僕は今年で、作家生活八年目をむかえる。八年ものあいだ毎日小説を書いた結果、いろいろ成功して、いろいろ失敗して、思い出ができて、悔いが残って、大切なものができて、大切なものを失って、(中略)そして後輩作家ができた。こ…

バッパーズ30周年・名阪東クアトロツアー最終日で意外なことを知ったこと

吾妻光良&The Swinging Boppersは相変わらず東京でライブがあったらぜんぶ行っている。来月はライジングサンでも見ますし、先月はDVD発売記念のインストアにも出かけました。18日のクアトロのライブではLEYONAのゲストによる「静かなるジョージ」、貴重な「…

買った本の名前だの値段だの買った場所だのを打ち込んでいく作業を始めて十数年…。蔵書と年の数ばっか増えてって十数年…。 5月から更新をほっといたら、部屋のなかの紙袋と未記入の蔵書が増えて、部屋も自分の気持ちも落ち着かず、しぜん、夜の出歩きや人づ…

スーフリナイトvol.4

2年4ヶ月ぶり4度目のスーフリナイトを浅草で開催する。前に3度お世話になった千駄ヶ谷Loop-lineから浅草Stellaへ。春先、浅草に引っ越した友達の家にあそびに行く途中、たまたま見つけた会場。「浅草のliquidroomを目指す」という気宇壮大なような別にそうで…

スーフリナイトよたび

ryuto taonと抱擁家族の拡大反省会、そして次回ライブが決定

6月1日のライブは面白くやれた。前日の一夜漬けのスタジオ練習がこれまでで一番よい内容だったので、それ比べると劣るけれどスタジオの完成度をライブハウスに持ち込むのは無理というものだ。だいたいこのバンドには決まった歌詞がない。MCはほとんど即興で…

ただ買ったものの名前を羅列するだけのブログなんか書くつもりじゃなかった1

5日、都内タワーレコードで。Questionposted with amazlet at 09.06.06KIRIHITO Pヴァイン・レコード (2009-06-03)売り上げランキング: 2677Amazon.co.jp で詳細を見るCARRY THAT WEIGHT IIposted with amazlet at 09.06.06オムニバス スリーピースリービー …

ぼくたちの好きな冒頭14 J・G・バラード『ヴァーミリオン・サンズ』

一夏のあいだ、雲の彫刻師たちはヴァーミリオン・サンズからやってくると、ラグーン・ウエストへのハイウェイの横にならび立つ白いパゴダにも似た珊瑚塔の上を、彩られたグライダーで飛びまわった。中でもっとも高い塔がコーラルDであり、ここには砂礁脈から…

ライブが急遽きまった

かちゃくちゃがわりと必死に叫んでryuto taonが涼しそうにラップトップを操る、スピリチュアルダンスロックバンド・ryuto taonと抱擁家族の三度目のライブが急遽決定した。ライブハウス主催の企画に呼んでもらった。 ●ライブ詳細 UNDER THE BRIDGE vol.3 日…

ヘンな文章が好きだ9 昆虫食研究家・内山昭一氏が放つポエジー

あれ、なんかおかしいな。以下に紹介する異色のレシピ本・内山昭一『楽しい昆虫料理』(2008、ビジネス社)は、先日ryuto taonの宅にあそびに行ったとき(id:breaststroking:20090504#p1)に借りてきたもので、手に取ったときは、カマキリの南蛮漬けだの、ハ…

ヘンな文章が好きだ8 / ナボコフ日記 revisited1 ナボコフ『プニン』メモ

今週末は日本ナボコフ協会(http://vnjapan.org/)の年次大会が外語大である。http://blogari.zaq.ne.jp/propara/article/10/前回参加した東京海洋大学での大会では、碩学ブライアン・ボイド夫妻からサインをいただけて嬉しかった。今回気になるものには、グ…

ヘンな日本語が好きだ おまけ•すばらしい食虫本の世界

→長くなったので日をあらためます。 始めよう。瞑想―15分でできるココロとアタマのストレッチ (光文社知恵の森文庫)posted with amazlet at 09.05.14宝彩 有菜 光文社 売り上げランキング: 1002Amazon.co.jp で詳細を見るスワミ・シヴァナンダの瞑想をきわめ…

ryuto taonが初心者におすすめする、スピリチュアルに暮らすための本たち

ここでは彼の本棚(もちろん手作りである)から、断腸の思いで5冊だけ、入門的良書をえらんでもらった。pop的リコメンデーションもそえてご紹介する。○シヴァナンダ•ヨーガ•ヴェーダーンタ•センター編著 菊水美佳訳『スワミ•シヴァナンダの瞑想をきわめる』…

きれぎれ文学考察7 ryuto taonといっしょに雑草を食べ、インタビューする

さいきんどうも、ryuto taonの様子がおかしい。ryuto taonというのは自分がやってるスピリチュアルダンスロックバンドryuto taonと抱擁家族(http://www.myspace.com/hoyokazoku)のトラックメイカーのことである。この男むかしから、瞑想をたしなんだり、と…

きれぎれ文学考察6 前田塁をつつむたくさんの守護霊、あるいは蔵の中の古い刀の話

文芸評論家・前田塁ことオルタナ系文芸編集者・市川真人の活動をおれは十年ちかく見つづけている。2001年1月から実務責任者となり、デザイン、書き手を新たにし、一気に『早稲田文学』を立て直した氏の仕事を、リニューアル直後の早稲田文学がおれの本棚にい…

ぼくの好きなアーカイブ1 高橋ユキヒロ「Ark Diamant」(1983)

1983年の高橋幸宏(当時はユキヒロ)のライブツアー「YUKIHIRO TOUR 1983」は、鈴木慶一、立花ハジメ、コクトーレーベルのビル・ネルソン、ABCのデヴィッド・パーマーなど、豪華なメンバーを擁して行われた(http://sound.jp/dbymo/history1983.html)。その…