暑いので神保町で本を買う。

東京堂で、寺田博編『時代を創った編集者101』(新書館)、内田樹『ためらいの倫理学 戦争・性・物語』(角川文庫)、大塚英志サブカルチャー反戦論』(角川文庫)、ウィリアム・バロウズ鮎川信夫訳『裸のランチ』(河出文庫海外モダン・クラシックス)、『SAN PAN』第III期第5号(EDI)、『図書新聞』、三省堂佐藤嘉尚『「面白半分」の作家たち 70年代元祖サブカル雑誌の日々』(集英社新書)。

大塚とバロウズは単行本で持っているのだが気持ちが上がっていたので買ってしまった。このパターンが今年は多い。サンパンは、吉田健一の蔵書焼失エピソードから本論に入っていく扉野良人の手つきがきれいだ。『「面白半分」』は一種、賭けのつもりで購入。あまり誠実な本ではなさそうな気がする(なんとなくだけど)。『図書新聞』は先週の美学校校長ロングインタビューにつづいて購入。舞城王太郎について方々で書いている元『Choice&Place』主宰の吉田大助仲俣暁生http://www.big.or.jp/~solar/)ら、面白い人たちが集まってきている印象がある。菊地成孔や、稀に登場する坪内祐三なども然りで、『週刊読書人』が一面を愉しむ書評紙だとすれば、『図書新聞』は小さな囲み記事や書評などの傍流記事を愉しむ新聞ではないか。自分はそういう風に読んでいる。

と、一気に書いて本題。『時代を創った』を東京堂の平台で見つけた時には驚愕した。ここ何年加の古本ブーム、回顧本ブームで、以前なら歴史として省みられなかった歴史が見直されているのは感じていたが、その流れからこのような本が出てくるとは。池島信平花森安治嶋中鵬二山本夏彦くらいは当然として、上林暁内田魯庵思潮社小田久郎宮脇俊三永井龍男滝田樗陰までしっかり取り上げられていて、予備校の参考書みたいな素っ気ない装丁と合わさって、なんだかものすごいもの見てしまった気分(そしてこの本の存在を一番に伝えたいMOZUさんのページはもうない)。

それで上の文章をアップした後、はてなのキーワードがどれくらい拾っているか見てみた。『時代を創った』から羅列した10人のうち、すでに登録されていたのは花森氏と宮脇氏の二人だけ。空条承太郎風に言えば、
「やれやれだぜ」