高円寺のキオスクで『SPA!』『ヤングチャンピオン』『FLASH』『週刊プレイボーイ』を買う。とにかくフラッシュ表紙の佐藤寛子http://www.tv-asahi.co.jp/kanbai/players-photo.html)に尽きる。週プレの、上野なつひと佐藤が立て続けに出現する並び方もいい。地味で寡作ながら端整な美しさが光る上野は、グラビア界の小沼丹(←ちょっとインサイターっぽい)

週プレの佐藤寛子グラビアにはこんな言葉が添えられていた。

断言しましょう。
彼女がキます。
いえ、訂正します。
もうすでに、
キてるんです。
顔・体・雰囲気、
どれをとっても
最高です。でも
白状します。
やっぱりクビレが、
一番好きやねん。

最後の一行だけ忽然と関西弁になってるのが良い。押さえきれなかった感じがよく出てる。この添え書きは2003年9月における佐藤寛子ファンの気持ちを、正確に代弁しているのではないか。

佐藤寛子とはまるで関係ないが、『スパ!』の坪内祐三福田和也の連載対談から少し引く。石丸元章の構成が野暮ったいので読点と二重カギカッコは自分の裁量でいじってあります。

坪内 アンマンの空港で爆発事件を起こした毎日新聞の五味記者が言ってたことはよくわかるんだ。
福田 彼はイラク戦争に従軍して、スゴイ写真を撮ってますよね。
坪内 それで爆発事件を起こした後に、毎日新聞に事件についてのリポートが出てるんだけど、そこで五味記者は、爆弾を持って帰ろうとしたことについて、「自分に(戦争の)リアリティがなかったから」という意味のことを言ってるんだよね。あんなにいい写真を撮っているのに、「戦場のリアリティがなかった。だから戦場に立った時のリアリティを持ち帰るために"不発弾"を持って帰ろうとした」という内容のことを。イラク報道の中で、五味記者は一番リアリティのある写真を撮っていて、だけど自分にはリアリティが感じられなかった。だから戦場に立っていることを自分にアイデンティファイするために−
福田 "証拠品"みたいなものだよね。リアリティのカケラを持って帰りたいという。

引用した発言が載ったページには、五味記者が撮影した、爆弾で半壊した子供の手の写真が大きく載っている。毎日の紙面に載った写真だというのだから意外にラディカルな新聞だ。それで結局、丸谷才一は毎日で『カンバセーション・ピース』の書評をやったのか? そればかりが気になる。