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神保町で『ファウスト VOL.3』(講談社)(→amazon)、高橋悠治『高橋悠治 コレクション1970年代』(平凡社ライブラリー)(→amazon)、浅羽通明『アナーキズム 名著でたどる日本思想入門』(ちくま新書)(→amazon)、『青山真治と阿部和重と中原昌也のシネコン!』(リトル・モア)(→amazon)、『週刊文春』を買う。
なるほど、と、女王様は感心した。保坂尚輝にとって「夫婦」とは「男女のステディな関係」であり、それを解消してもなお「家族」ではあり続けられる、と、いうことなのだ。これは非常に明確な「夫婦」と「家族」の定義づけであり、彼らがその定義を共有している限り、彼らの家族関係には確かに何の支障もなかろう。保坂尚輝の言いたいことは……ワイドショーのコメンテイターや芸能レポーターにはまったく「理解の範疇外」であったらしく、スタジオでは出演者全員が、「何が言いたいのか、さっぱりわからん」という結論に達していたのであった。
愚民どもめ、と、女王様は思ったね。あれほど明確な保坂の説明が理解できないのは、おまえらは今までに「夫婦とは何か」「家族とは何か」ということに対して、自分なりの定義づけを怠ってきたからではないか。……そのような浅薄で怠惰な生き方をしてきたからこそ、おまえらには保坂の言葉が通じないのだ。