『AFTER HOURS』が企画するMICE PARADEの来日公演を見に、クアトロへ行った。といってもマイス・パレードは名前はちょこちょこ聞くけれど、作風も編成も歴史もなんも知らん。そんな人のライブを見に行くことは滅多にないので面白い。なんで行くかというと、半年振りくらいに活動を本格化させ始めているNINE DAYS WONDER(http://www.catune.com/ndw/)がオープニングアクトで出るからなのだが、パルコ4階に上がると入り口に彼らの出演がキャンセルされたと掲出されていて落胆した。このバンドともつくづく縁がない。

結果的にオープニングになったゲストのILLI VILLマイス・パレードの盟友であるHIMのGunnar Orn Tynesのソロプロジェクトだそう)は名前からしてラッパーか?と不安視したが打ち込みを鳴らしながらキーボードやギターをやるシャイな外国人だった。フォークトロニカっていうのかな?夢ごこちのトラックが気持ち良かった。

マイス・パレードは最初、アダム・ピアースと謎の日本人の女の子アキツユコという、竹村延和と一緒にやったりしているシンガーだそう)だけ出てきて、日本には何度も来て聴衆も大変気に入っているけれど静かなのが嫌だ。そこでこれから歌うフォークソングを一緒に歌ってください、というようなことを言ってアコースティック・ギターを弾き始めた。母国のトラッドな流行歌なのか?サビだけ無理やり和訳したそれは「床の上にベッドをこしらえて、ハニー、たぶんだめだ〜」というような日本語だったのだが、ピアースの歌に観客は戸惑い、笑いながらも10分くらい、この行為に好意的に付き合っていた。あたたかいメロディなんだけど、中身は家で浮気する男の歌らしかった。よく判らん。

ますますどんな音を出すのか不安になってきたが、mumの女性ボーカリストを含む6人(に見えたかがどうも7人だったくさい)全員が出てきて音を鳴らし始めると安心した。非常に慎ましく、穏やかなインストにこれまた控えめなクリスティーン・ヴァルティースドッティルのウィスパーヴォイスが乗っかって気持ちよかった。アート・リンゼイ風のギタリストはブラジル風のフレーズを鳴らしていた。ピアースは途中、パーカッションと座椅子を兼ねる不思議な椅子に座ってドラムと熱いセッションしていたがその間、モニターからは妙なノイズがし続け、PAと大声でやりとりしたりナーバスな時間があった。このバンドの情報を簡単に参照しながら書いているが、シューゲイザーの要素も確かに濃くあった。色々なルーツを持っているゆえに、あの編成でありながら人力トランスっぽくならないのは却って面白い。しかし最後の曲は延々ブレイクし続けて興奮した。

○マニアックなプロフィール
http://oops-music.com/info/view.html?oid=959
○バウンスのインタビュー
http://bounce.com/interview/article.php/1863
ライブ中、あまりこのバンドに似ている!というのはないけれど、クラムボンファンが見たら喜ぶかもなあと思っていたら、最新の5thアルバムには原田郁子が参加しているそうだ。ちょっと驚いた。