阿部和重『プラスティック・ソウル』(講談社)、あとY本さんに教えてもらった、原稿無断流出事件を当事者が書いた、村上春樹「ある編集者の死〜安原顯氏のこと」が載っている『文藝春秋』4月号と『THE HARDCORE ナックルズ』を買った。学生みたいな買い物をしちまったぜ。『文春』はヤスケン云々というよりも、不気味な村上氏に目が行く。時勢もこうなりゃヤスケン(の書いたもの)を評価する短文でも書かねばなるめえ。おれはけっこう本を持っている。

……とつらつら書くと、まるで書生みたいな休日を送ったようだが、実際は機種変更して手に入れた、金曜に出たばっかの904T(http://www.vodafone.jp/japanese/products/model_3G/v904t/index.html)を半日いじくり回していて、読んだ活字はほとんどが携帯のマニュアルに載ってる説明書きばかりなのだった。以前はジェイフォン/ボーダフォンの代表選手だったシャープも3G導入の際の失敗で今や墜ちた英雄となり、おれはネズミが逃げ出すみたいにおっかなびっくり東芝へ飛び移ってきた。

けっこうエイヤッ!の気分であったがこれは現時点でボーダフォン3G携帯の粋をあつめた造りであり、しかも使い易さと機能もまあまあのもん(903SHだっけ、メモ帳が付いてなかったのは苛々した)。シャープの美しい液晶と、自動でピントを合わせるオートフォーカスカメラ、そして文字デザインの優美さはないものの(いずれも大変重要なのだが)、それ以外はだいたい備わってる。細かい部分で気になるのは、キータッチが画面に反映されるまでの遅さ(これはシャープも3Gになってだいぶ遅くなったから固有の現象ではないが気になる)、選択する言葉を予測する機能の弱さ、あとシャープであれば電話帳呼び出しでカナを入力すればワンボタンですぐ個人名まで出せたところ、こっちはカナで打って変換までしてからでないと電話帳が呼び出せない点といったところ。デザインは好きだがこの携帯のウリである畳んだままでもほとんどの操作が可能という点にはあまり有意義さを感じない。

……とつらつら書くと、おれは結局書生だった!