9.17 FBY presents NEO CLASSICAL vol.6 「BASIS」RELEASE TOUR 於千葉LOOK

7月5日のShort Circuit解散ライブを兼ねた3p3b meeting(新宿ロフト)、8月12日のNOT REBOUNDとのツーマン(シェルター)、9月3日のビークル企画のBOYZ OF SUMMER(日比谷野音)に続き、この夏四度目のASPARGUSを見るべく、雨の千葉へ。チケット持ってないのに、当日券が出るかも判らないのに、中央線に乗ってやって来ました。16時には着いてLOOKまで行く。ナンバーガールを見て以来(http://homepage3.nifty.com/loom/ng4.htm#inalook ここで見た「ワンダーフォーゲル」のカバーは今でも思い出せる)5年ぶり2度目だが、駅を出ると体が自然にすいすいライブハウスへ向かって行ってそれが面白かった。当日券は17時にならないと出るか判らないし売れないというので時間を潰したが結局買えた。

1時間ぐるっと歩いて判ったが駅を出て左手、LOOKの辺りからうらぶれた風俗街が拡がっている。でもう少し行くと商店街に突き当たるのだが、ゲーセンや洋品店の間に、ピンサロやヘルスや情報館がごくごく普通に並んでいる。風俗と商店街が共存しているのだ。ここら一帯、栄町と言うが、町の匂いにヤラれそうになった。

駅前にもどると今度は手前から聞こえる街宣車憂国演説と、ずっと向こうのPARCO屋上で、スキップカウズのイマヤスが主催するイベントの音がグワーッと流れてきて、それらの音がこの街の印象を強めていく。

アスパラは高い演奏テクニックと、一度聴いたら耳が喜んで忘れないメロディラインを持ちながら、ライブにおいてメインを張れない(張らない?)バンドである。しかし周辺のバンドからは常に一目も二目も置かれる存在であるから、自然と対バンが多くなる。よそのバンドのレコ発ツアーに随行することも多い。ビークルthe band apartslime ball、puli、エトセトラエトセトラ。それで今日はFrontier Backyardのレコ発にゲスト出演だ。

LOOKは狭いし汚いしドリンクメニューも3つ4つっきゃないけれど、ドリンクのおかわりが300円だし、MCの間に入り口をこまめに開けて換気をしてるし、なかなか人間くさい良いライブハウスだ。セットは以下のような内容で、この夏の演奏曲目からガラリと変えてきた。

1.一番あたらしい新曲 2.星みたいにキラキラした新曲 3.Far Away 4.NAP 5.Wander Around 6.Your Feelings 7.判らない 8.Like A Dead 9.Knock Me Out 10.Just Go on 11.Fallin' Down

「YES」が聴けなかったが貴重なセットだったからいいや。終盤はモッシュ、ダイブが起きたが、LOOKの人、ダイバーがステージに近づくと、容赦なくはたき落とすの。笑えた。(ダイバーに蹴られて)メガネが飛びそうになった。

実はステージそばで演奏をつぶさに観察できたのは初めてだ。山下さんのベースはブッチャーズの井守矢さんやNew Orderのピーター・フックばりにドラマチックだ。誠実な板さんのような表情も良い。一瀬さんのドラムはバンドのキモだが、ドラムセットの右側に大きめのシンバルが設置されており、これが一瀬ドラムの要と見た。あとグリップが独特で、ラケットを持つように、地面に垂直にスティックを握る。だから小気味よく振り下ろすようにシパパパとドラムが叩かれ、一連の細やかな音が鳴るのである(おそらく)。

渡邉忍のMCは汚かったが笑えた。曰く、いつも一瀬のクルマでライブハウスに向かう際、牛乳を買って飲むがそれで腹をくだしてしまうことがしばしばある。今日は一瀬と相談して牛乳をやめてジャスミンティーとおにぎりにしたがどういう訳かおなかが痛くなったが、高速を降りたところにコンビニが全くなかったので、<ちょうどいい田畑>を見つけたので草むらで用を足した。自分はズボンを脱がないと用が足せないタイプだ。急いでいたので足が草木で切れてしまったが急いでいるので痛くなく、気が付かない。カマイタチのようなものである。その後LOOKのトイレにも入ったが、便が流れていなかったので、自分が流してあげた。エコロジー。でもあれはFBYのものか、それとも一瀬のものか、はて…

というような、屈指のどうでもいい、脱力MC。「ほんとにほんとにライオンだ」「アゲイン野糞。まあマーキング的な…」などの忍語録もちらほら出た。FBYの人も似たようなことを言っていたが、あれだけきれいな曲を演奏し、唄うのに、MCが延々糞便の話とは。しかし渡邉忍のふにゃふにゃした語り口だとあまり下品に聞こえない(気がするのはおれだけか?)。

FBYは、ロック編成でファンク風の曲をやる、ダンサブルで垢抜けたバンド。メンバーは元スキャッフルキングなのか? 終始アゲアゲで、シンセがぷりぷりキラキラしていて旨そうな音を出してた。サポートでCumismo Grafficoの人も参加していた。途中で失礼してしまったので明言する権利はないが、ある程度の数のマスに評価されながら緊張感のある音を出している、時代の先っぽを走るバンドの表現には、不思議と共通するものがある。FBYだったらthe band apartとか、Doping Pandaなどが浮かぶが、彼らはロックによるパーティミュージックの実践という、奇妙なほど共通した要素を持っている。