2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

訳者あとがきは教室なのだ

先週末ブックファースト渋谷のバラードフェアで買ったバラードの『殺す』(東京創元社)を早速読み終えた。たいへんに短い中編。特異な邦題からか以前から知っていた本だけれど、まだ『結晶世界』しか読んでいない人間が手に取るべき作品ではなかった。中級…

ディック雑考

日付が変わるごろまで近所のデニーズに蟄居して『「麻原死刑」でOKか?』(ユビキタススタジオ)とP・K・ディック著 浅倉久志訳『ユービック』(ハヤカワ文庫SF)を交互に読んでいた。いま気づいたがどちらも「ユビキタス」繋がりだ。そしていま思ったが、内…

熊田曜子が面白くなってきた

『週刊プレイボーイ』21号をジャケ買い。熊田曜子でジャケ買いする日がまた訪れるなんて、思っても見なかった。実はここのところ、熊田曜子がまた気になっていた(『ボム』の表紙を飾った辺りから)。大概グラビアアイドルは露出過多になるとオーラがなくな…

まがじなりあ・あちらこちら8 30年後の文化史のために(、ささやかな深夜のスケッチ)

下記用件を済ませた後、24時半を過ぎてコンビニへ行くと、連休明けで忙しそうに店員が二人がかりで雑誌の入れ替え作業を行っている中、店員の姿を黙殺して立ち読みに励む男たちが三人。彼らは一様に、搬入されたばかりの『週刊少年ジャンプ』を手にして『DEA…

若島正を読んで背筋のてっぺんがぞくぞくっとする感じを味わう

2月から珍しくSFばかり読んでいるのだが、ジーン・ウルフ 柳下毅一郎訳『デス博士の島その他の島』(国書刊行会)を読んで、そろそろちがう雰囲気のものに行こうと思ってもいきなり国産純文学に行く気分にもなれず、これが一ジャンルにどっぷり浸か(って抜…